【初心者向け】ISO9001とIATF16949の違いを分かりやすく解説

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IATF16949の取得が必要って言われたけど、IATFってなに?

ISO9001とIATF16949って、一緒じゃないの?

いまいちIATF16949の意味がわからないんだよなぁ・・

今回は、ISO9001とIATF16949の違いの解説です。

ISO9001だと、テレビCMや街の看板で「ISO9001認証工場」とか「ISO9001取得しました」というキャッチコピーをたまに目にすることがあると思います。

ISO9001は品質管理の国際規格で、これを持ってれば、そこで作る製品・商品が安心して使えることを意味します。

一方でIATF16949は、同じ品質管理の国際規格なのですが、ISO9001とは少し違います。

一般的には馴染みがありませんが、自動車に関わる業界ではよくでてくるワードです。

同じ品質の国際規格なのに何が違うの?

ネット検索しても難しい文書を目にすることが多いので、ここではもう少し分かりやすく解説していきます。

製造業の工場で25年ほど品質管理の仕事をしていますので、現場目線で詳しくお伝えします。

これからIATF16949審査を受けようとする方に、大枠のイメージを持って頂ければと思います。

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IATFの審査を受けるにはガイドブックが必要ですが、めっちゃ高いので会社の経費で買ってもらいましょう^^

こんな人におすすめの記事です
  • 自動車に関係する部品を製造している人
  • ISO9001やIATF16949の審査を受ける人
  • 製造業の工場で品質の仕事をしている人

動画での解説はこちら!

目次

ISO9001とIATF16949の違いって何?

ISO9001とIATF16949の具体的な内容を説明します。

ISO9001とは?

ISO9001は、業種や分野に関係なく、品質のマネジメントシステムがうまく機能しているかを外部の審査機関がみて判断するモノサシのようなものです。

マネジメントシステムは、PDCAのサイクルをイメージしてもらえればと思います。

PDCA
PDCAサイクル内容
Plan(計画)計画を作る
Do(実行)計画通りに実行する
Check(チェック)実行した結果を確かめる
Action(行動)結果から修正して行動を起こす
Plan(計画へ反映)行動から計画を見直し
Do(実行)計画通りに実行する
↓ 同じサイクルでまわる ↓

PDCAの詳しい内容は下の記事で解説してます。

PDCAは全ての事柄に使えますが、その品質管理版がISO9001です。

品質管理で大きく要求されているものを纏めると
  1. 経営者の品質方針
  2. 従業員の管理
  3. 製造環境の整備
  4. 製品を作る能力
  5. 製品を測定する能力
  6. 製造した結果を分析する能力
  7. 分析した結果を改善する能力

7つの判断基準(モノサシ)で、PDCAができていれば、ISO9001の審査に合格します。

IATF16949って何?

IATF16949は、自動車に特化した品質管理の国際規格です。

自動車に関係する部品を作っている会社に適用されて、違う分野では使われません。

ISO9001に大手自動車メーカーが要求事項を加えて作られました。図にするとこんな感じです。

ISO9001との違い

自動車の要求に加え、CSR(顧客固有要求)と呼ばれるお客様の要求も追加されます。

IATF16949では、顧客要求を明確にしたCSRは特に重要視されます。

CSRの詳しい解説はこちらの記事で解説してます。

まれに「ISO/TS16949」という言葉を目にするかも知れません。

ISO/TS16949は、IATF16949の古い名前です。もともとはISO9001に自動車の要求が加えられて、

「ISO9001(基本要求)+TS16949(自動車要求)=ISO/TS16949」でした。

そのISO/TS16949の内容が、少し厳しく改訂されてIATF16949変わった経緯があります。今では使われていない名称です。

ISO9001とIATF16949の具体的な違い

IATF16949は、自動車に使われる製品の品質を高める目的で作られました。

自動車は故障が許されないものなので、不良を良くするよりも不良を作らないことに重点を置いています。

  • 不良を良くする → 不良を減らす → 改善
  • 不良を作らない → 不良はゼロ → 予防

不良の予防に力を入れてPDCAをまわす活動が重要視されます。

具体的には、コアツールと呼ばれる6つの手法が必須として定義されてます。

略称コアツールIATF16949ISO9001
APQP先行製品品質計画×
FMEA故障モードと影響解析×
CPコントロールプラン×
MSA計測システム解析
SPC統計的工程管理
PPAP生産部品承認プロセス×
◯:必要  ×:無くてもOK

それぞれを簡単に説明すると

APQP

製品を開発する段階で、チームを結成します。お客様とのやり取りから製品完成までの計画を作って管理します。

FMEA

不良(故障)が発生するリスクを計算して、どの工程・作業にリスクがあるかを数値化して減らす活動をします。

CP

FMEAからアウトプットされた内容を文書にして、製品の設計図を作ります。

MSA

測定機器の安定を保証します。校正とバラツキの検証を行います。

SPC

測定データを統計的に解析して、異常な状態を未然に防ぎます。

PPAP

製品に使われる材料や評価データを書面にして、お客様に承認してもらいます。

IATF16949では、製品を開発する段階からチームを作って(APQP)、不良を未然に防ぐFMEAが必須になります。

ISO9001はこれまでどの業種、分野でも共通で使うことができる品質規格だったため、少し曖昧な表現をしていた部分がありました。

IATF16949では、自動車部品に限定することで、より細かくやるべきことを明確にしたイメージです。

やる事は増えて大変になった分、やりやすくなったと言えるかも知れません。

まとめ:IATF16949は自動車特有の要求を加えたもの

ISO9001とIATF16949の違い

  • ISO9001は、品質のベースとなる部分をになう規格
  • IATF16949は、ISO9001に自動車専用の規格を追加したもの
  • ISO9001は、不良の改善活動を重要視する
  • IATF16949は、不良をゼロにする活動を重要視する

ISO関連の書籍はいくつか出版されてますが、原文の和訳をベースに理解を進めるのが1番な気がします。審査にもこれを使ってます^^

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