【ISO/IATF16949準備】タートル図の書き方をわかりやすく解説

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普段あまり使うことがタートル図ですが、ISO9001やIATF16949の審査を受けようとすると、必ず確認される大切なツールです。タートル分析とも言います。

なんでタートル図が必要なの?

いつも自分の会社で働いていると気付きませんが、審査する人は初めて会社を訪れます。

審査員から見ると、会社の組織がどんなつながりで、どんな仕事をしているかわかりませんよね^^;

そのとき部署の仕事内容や部署と部署のつながりを説明するものが、タートル図です。

会社には色々な部署がありますが、あらためて何をする所?と聞かれると、即答できる人は意外と少ないです。

自分の仕事で手一杯で、なかなか他のとこを気にする余裕はありませんよね。

審査で確認される理由

部署と部署のつながりがないと、会社がうまく機能しません。

会社が機能してないってことは、モノを作る上でリスクがあるって思われます。

タートル図があることで、組織の関係性を正しく理解して仕事をしていると判断してもらえます。

会社組織の関係性を正しく把握することをプロセスアプローチとも言います。

本記事では、製造現場から見たタートル図の書き方について解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • タートル図をこれから書こうとしている人
  • ISO9001・IATF16949の審査を受ける人
解説動画を聞きたい人はこちら!
目次

プロセスを理解しよう

タートル図は、各プロセスごとに必要です。

プロセスって何?

プロセスは、会社の部や課に近いものです。何かをもらって(インプット)、仕事をして、何かを作り出す(アウトプット)1つのグループのようなものです。図にするとこんな感じです。

プロセス説明図1

プロセスにも幾つかの役割があって、ISO9001の要求だと最低3つのプロセスがあります。

  1. 経営者の責任プロセス
  2. 製品実現のプロセス
  3. 測定・分析・改善のプロセス

図にするとこんな感じです。

3つのプロセス説明図

これだけだと大枠すぎて、仕事がスムーズに進まないので、実際の会社組織はもう少し細分化されます。

一般的な例だとこんな感じ。

各プロセスの説明図

この1つ1つのプロセスにタートル図を作っていきます。

インプットとアウトプットを整理しよう

プロセスを明確にしたらプロセス同士のインプットとアウトプットは何かを考えます。

このプロセスは、「何をもらって、何を出力するのか?」です。

例えば、設計開発プロセスからコントロールプランが製造プロセスにアウトプットされているのに、製造プロセスのインプットにコントロールプランが無いとおかしくなります。

設計開発プロセスの
アウトプット
製造プロセスの
インプット
  • コントロールプラン
  • コントロールプラン

繋がりのあるプロセスのアウトプットとインプットは同じになってるのが一般的です。

タートル図を書く場合、プロセスの相関図と他のプロセスのタートル図を見てインプットとアウトプットが何か確認して整理する必要があります。

タートル図のフォーマット

タートル図の基本的なフォーマットは決まっています。

プロセスのインプット、アウトプットに4M(人・装置・方法・測定)を加えたものになります。

基本のタートル図

それぞれの内容について説明していきます。

プロセスで仕事を行う人に関する内容を書き出します。

1番分かりやすいものは、部や課、グループの組織表だと思います。組織表には次のことがわかるように書いておきます。

  1. 誰が何の仕事をしているか?
  2. その仕事には何人が携わっているか?
  3. 誰が責任者なのか?

組織表の1人1人に、その仕事を行う上でスキル(力量)が十分なのか?、仕事の教育が行われているのか?が問われます。

ISOの要求事項にある「力量・認識及び教育・訓練」の部分です。教育の記録や力表を示せる書類と紐付けておきましょう。

タートル図に記入するキーワード
  1. 責任者
  2. 直接の作業者
  3. 作業者を支援するスタッフ

装置・治工具

仕事で使用する装置や治工具の管理について書きだします。

タートル図に記入するキーワード
  1. 装置(機種・名称)
  2. 治工具(名称・金型・部品)
  3. 点検・メンテナンス(日常点検・定期点検)
  4. インフラ設備(電気・水・温湿度)

複数の装置や治工具を使用すると思いますので、装置リストがあると説明しやすいです。

装置1台1台の点検が確認されますので、点検記録と紐付けしておきましょう。

方法

その仕事をどうやって行うかを明確にする部分になります。作業者が行う作業の方法や検査する場合の基準などが該当します。

その作業方法は全て文書にしておく必要があります。文書がないと何が正しいかがわからなくて、作業にバラツキがでるという考え方です。

タートル図に記入するキーワード
  1. 作業手順書(基本の動作、注意するポイント)
  2. 作業の条件表(装置のパラメータ、圧力・温度の設定値)
  3. 検査の基準書(検査の順番、良品・不良品の判定)

作業手順書の書き方はこちらの記事で解説してます。

測定

仕事を行った結果、その成果を判定する指標を明確にする箇所です。やっていることが間違っていないか?会社の目標を達成できそうか?を数値を使ってモニタします。

PDCAサイクルでいうチェック(Check)です。製造プロセスで考えると以下のような指標が一般的です。

タートル図に記入するキーワード
  1. 歩留り(不良率)
  2. 稼働率(装置や人)
  3. 売上げ(損益が分かる指標)
  4. 生産数の実績
  5. 製品の納期日数
  6. 顧客クレーム件数

歩留りの考え方は、こちらの記事で解説してます。

ISOの審査では、ここが1番重要視されると思います。指標が悪いとプロセスがうまく機能していない可能性があるためです。

それぞれの指標に対して、目標を達成するために何を行っているかを説明する必要がでてきます。改善活動の内容は、しっかりと把握しておくことが大切です。

インプット

関連する他のプロセスからのアウトプットと、顧客から提示された内容(CSR:顧客要求事項と言います)を記入します。製造プロセスを例にすると

タートル図に記入するキーワード
  1. 生産計画(毎月の生産予定数)
  2. 製品の原材料
  3. 技術文書(条件表)
  4. FMEA・コントロールプラン
  5. CSR:顧客要求事項

FMEA、コントロールプラン、CSRの詳しい解説は、それぞれ個別に解説してます。

アウトプット

仕事をした結果(成果)で他のプロセスにインプットするものを書き出します。アウトプット先には、顧客も含まれます。製造プロセスを例にすると

タートル図に記入するキーワード
  1. 完成品(製品)
  2. 製品を作った情報(作業の日時、作業者、装置)
  3. 製品の品質データ

タートル図を書いてみると、自分の部署の仕事は何で、何の目的で仕事をしているかを再認識できます。

業種や職種によって、タートル図の書き方は色々ありますが、基本的な考え方は同じだと思います。

本記事が何かの参考になれば幸いです。

最後までお付き合い、ありがとうございました。

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