工程管理

作業標準書の書き方を現場目線でわかりやすく解説

分類

 

製造業で働いていると、どの会社にも作業標準があると思います。作業標準書に決まった形式が無いため、何が正解か悩むことがあります。せっかく作った作業標準書も、現場で使ってくれなければ意味がありませんよね^^

 

例えば、あなたも何か商品を買って取扱説明書を見たときに、まったく読む気にならない!って経験ありませんか?

 

「取扱説明書」も「作業標準書」の1つです。

 

取扱説明書は、「正しく商品を使ってもらう」ために作られていますが、作業標準書も同じです。「正しく作業を行ってもらう」ために作ります。

 

わかりやすい取扱説明書は、商品や会社の価値を高めます。次もここから買おう!と思ってくれます。

 

本記事では、現場で使うわかりやすい取扱説明書=作業標準書の書き方を解説していきます。

こんな方におすすめ
  • 現場管理で作業標準書を書いている人
  • 作業標準書がうまく活用できていないと感じている人

 

作業標準書の書き方

 

作業標準書に決まった形式は無いと書きましたが、自分の経験から以下の点に気を付けて書いていくと分かりやすくなります。

  1. 題目
  2. 文書の番号(日付・版数/Rev)
  3. 目的(理由)
  4. 適用範囲(製品・工程・ライン)
  5. 対象の作業者
  6. 対象の設備・装置・治工具・材料
  7. 作業の方法(順番・ポイント・コツ)
  8. 異常時の処置
  9. 関連する文書
  10. 作成者・承認者・部署
  11. 改訂履歴

 

一般的な標準書をイメージするとこんな感じになります。

作業標準書の事例

 

それぞれの項目について詳細を説明します。

 

題目

題目には、作業者が一目見て、何が書かれているか把握できるフレーズが必要です。

一般的には、ラインー工程ー具体的な作業の順番が良いと思います。例えば「Aライン:溶接工程:B材料の交換方法」などです。

 

文書の番号

標準書には必ず固有の番号が必要です。

番号がないとISOやIATFの審査で公式な文書として認められませんので、現場で使用しているメモや覚書(おぼえがき)も大切な会社の資産です。

正式な文書にして番号を付けましょう。

 

目的

この文書がなぜ必要なのかを書きます。

よく目的と書かれている内容がマッチしていない文書を見ることがあります。文書を書いている人は理解していても、はじめて読む人には重要な箇所になりますので、

具体的に丁寧に、この文書を理解して欲しい理由を書きます。

 

適用範囲

文書がカバーする範囲になります。

大枠で記入するのではなく、小さい単位まで細分化して範囲を限定する必要があります。文書を何十、何百とある場合、似たような文書がでてきます。

例えば、「材料の交換方法でもA製品とB製品では、少し交換方法が違う!」ような場合、適用範囲が明確でないと、間違って作業者が覚えてしまう危険性があります。

 

対象の作業者

適用範囲の中でも作業者が分類される場合があります。

オペレーションをする作業者なのか?段取り替えをする作業者なのか?修理をする作業者なのか?さまざまです。誰への標準書かを明確にします。

 

対象の設備・装置・治工具・材料

どの装置や材料を使うか?を記述します。

同じ作業でも装置が違うと、まったく作業内容がことなるケースは多々あります。もし全装置に共通な文書だとしても、「全装置共通」と記載しましょう。

 

作業の方法(順番・ポイント・コツ)

作業を1から順番に具体的に書いていきます。

長い文章は、作業者に嫌われますので、短く、箇条書きでステップを書くと読みやすいです。

商品の取扱説明書も一緒ですが、文字ばかりだと誰も読みません。多くの写真や図・絵を入れる必要があります。写真や絵の補足を文字で補っていくイメージです。

作業する上でのポイントやコツも、そのステップの横に書きます。

  • 何に注意して行う作業なのか?
  • どうやったら作業しやすいのか?

を書くことで、作業ミスを大幅に減らすことができます。

ポイントやコツは経験を重ねることでレベルアップします。その内容を文書にすることで、経験は次の作業者(新人作業者)に受け継がれます。

作業者への教育には欠かせない文書になっていきます。

 

異常時の処置

普段の作業では起こらないイレギュラーが発生すると作業者は困惑します。そのとき、どうすれば良いかを書いておきます。

一般的には、「作業を中断して、上司やリーダーへ連絡する」になると思います。

 

関連する文書

この文書と他の文書を紐付けたい場合に、相手の文書番号を記入する欄です。

ISOやIATFの審査を受ける場合、文書同士も関係性は大切になります。1つの文書では、伝えきれないことは多いです。

異常の処置を書きましたが、具体的にどのように連絡すのか?を聞かれた場合、別の文書で説明することになると思います。そのことを紐付けや関連付けと呼びます。

 

作成者・承認者・部署

公式な文書には、責任者を明確にする必要がありますので、書いた人、文書の責任者(承認者)を明記して下さい。

 

改訂履歴

標準書の更新履歴を残す欄です。

作業の追加や修正、製品の追加など、文書が見直されることは頻繁にあります。

作業者から見ると、この文書がこれまでの文書と何が変わったのか?

を理解する場所になります。ここをしっかり書けば、作業者は変わった部分だけを理解すれば良いので効率がグッとあがります。変わった箇所は、全て細かく書き出して下さい。

 

作業標準の分類

現場作業をする上で、作業標準書はいくつかに区分されます。作業標準書をやみくもに作っても、いざ現場で使う時に困ることがあります。

 

いぬ君
いぬ君
どこに何があるか、わかんない!?

 

ISOやIATFといった認証を受ける会社には、標準と呼ばれるものが何百何千とあります。

現場で使うものを作業標準と呼んだ場合でも、1人の作業者が見るべき作業標準書は100件近くになるかも知れません。100件を覚えることは無理ですし、記憶する必要もありません。

見たい時に簡単に見れる環境にすることが大切です。

 

おすすめな分類方法
標準書の分類方法

 

実際の作業者は、自分の工程やラインがありますので、その適用範囲ごとに分類する必要があります。

紙のファイリングや電子媒体のソートを使って、作業者が簡単に見れる工夫をしましょう。

 

 

作業標準のフィードバック

作業標準書を現場で使ってみると、その通りできないことが良くあります。書いている内容が間違っていたり、不足していたりです。

 

これは、実際の作業者が標準書を書いていないことが1つの原因です。

 

いぬ君
いぬ君
じゃあ、作業者が標準書を書けば?

 

と言う意見があるかも知れませんが、標準書は客観的視点で書く必要があります。作業者自信が書くと、都合の悪いことは書かなかったり、必要なことが抜ける場合が心配されます。

 

このため、基本的に標準書は、工程やラインの技術や品質に精通した人が書くことが望ましいです。その上で、間違いや不足を現場からフィードバックしてもらい、標準書を改善しているスタイルがベストだと思います。

標準書のフィードバック図

 

まとめ

標準書の書き方
  • 作業標準書の基本的な様式に沿って、細かく具体的に書いていく。
  • 現場の作業者が、いつでも簡単に見ることができる工夫をしましょう。大きな枠組みで分類する方法がおすすめです。
  • 作業標準書の実践・改善を繰り返すことで、標準書はレベルアップしていきます。作業者からのフィードバックを大切にしましょう。

本記事は以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました^^