「ヒューマンエラー!」なかなか頭の痛い問題ですよね(^^;
製造現場で25年以上働いてますが、人の作業とヒューマンエラーは切っても切れない間柄。色んな自動化、ポカヨケツールが進歩した今でも、ヒューマンエラーをゼロにはできてません。
具体的なヒューマンエラー対策に力を入れて、減らすことはできても、ゼロにはできてない。そんな現実があります。
答えは、作業する人のモチベーション(やる気)が低下してるからです。
25年前の現場に比べて、今の現場には「やる気」、「活気」といったものが薄くなった気がします。それは作業者の問題じゃなく、社会情勢、不景気の中で、会社が行ってきたもの。
- リストラ・早期退職
- 新規採用の見送り
- 派遣社員の導入
- 人材育成費用のカット
- 人件費のカット
それぞれが絡み合って、モチベーションの低下をまねいてます。
不景気の中、生き残るためにやってきたこと。会社が悪いわけじゃないかも知れません。でも、ヒューマンエラーを無くすためには、モチベーションの向上は避けては通れません。
モチベーションを上げるためには、具体的にどうすれば良いか、その方法を紹介したいと思います。
- 現場のヒューマンエラーで困ってる人
- 現場で作業してる人(上司の人に提案してみて下さい)
- 会社に活気がないと感じてる人
モチベーションを上げる方法
モチベーションのベースになってるのは、人の欲求です。
みんな自分の欲求を満たすために、日々生活を送ってると言われてます。欲求を表現した有名なものが、「マズローの欲求5段階層」です。
欲求はピラミッドの1番下:生理的な欲求からスタートします。命の危険に直接関係する「食べる、寝る」などの基本的な欲求です。
その「生理的な欲求」が満たされると、次の「安全の欲求」に進みます。ピラミッドの上に行くほど、モチベーションが高い状態です。
「自己実現の欲求」は、起業家だったり、自分の仕事を持ってる人に当てはまる内容なので、会社組織で考えると、「承認の欲求」を満たすことが、最高のモチベーションになります。
モチベーションを上げる・維持するためには、社員の欲求を「承認の欲求」まで高める活動をすれば良い
欲求を満たす具体的な方法
「承認の欲求」まで行くには、ピラミッドの底辺「生理的な欲求」から満足させていく必要があります。
それぞれの欲求を満たす具体的な方法を紹介します。
生理的な欲求を満たすには
「お腹がすいた」、「のどが渇いた」、「なんか眠い」、そんな状態だと当然、満足な仕事はできませんよね^^;
お金を使いすぎて食べ物が買えないとか、遊びすぎて眠い、というのはコントロールできませんが、会社の福利厚生を充実させることはできます。
仕事中にお腹が減ったら、食べることができる
パン、お菓子といった軽食の自販機を設置すると効果的です。人手がかからず狭いスペースでOK。リフレッシュコーナーに設置すると、みんなに喜ばれます^^
パンは賞味期限が短いと思われがちですが、”COMO(コモ)”のパンは約60日保存が可能です。
うちの会社もお世話になってます^^
カップメンも欲しい方は、ジャパンビバレッジという会社もあります。
仕事中にのどが渇いたら、飲むことができる
飲料水の自動販売機は、どの工場、会社にもあると思います。
でも、1回100円を休憩のたびに買ってると、かなりの出費になります。1日3回、300円でも、1ヶ月で6,000円は消える。
給料が安い今、これは痛い。。毎日1.5リットルのペットボトルを買ってくる人も多いけど、それだと持ち運びが大変です。
それを解消するのが、ウォーターサーバーです。作業場から休憩にでるときに、冷たい水が飲めれば生きかえります。
狭いスペースに電源(コンセント)があればOKです。うちの会社だと、水道工事が大変なので、ボトルタイプを採用しました。どこにでも設置できるのが魅力的です^^
ウォーターサーバーは色んなサービス(会社)があります。代表的な会社を紹介してますが、近場で利用しやすいところを選ぶのが良いと思います。
お客様満足度7年連続No.1!【クリクラ】
おいしい水の宅配サービス アクアクララ
現場作業の人は、質より量なので、水の値段が安い方が良いと思います。驚くほど、あっという間に水がなくなります^^;
ウォーターサーバー選びは下の記事が参考になると思います。
眠気覚ましに適度な休憩を入れる
今の会社方針だと、休憩時間は法的に最低ラインじゃないかと思います。(うちの会社もそうです)例えば、8時出社、17時まで勤務だと、休憩時間は12:00~13:00の1時間。
単純に4時間は連続して働きます。デスクワークなら良いかも知れませんが、現場作業は違います。最低でも2時間に1回は休憩が欲しいところ。
人の集中力は90分までと言われてます。長く働けば、働くほど、ヒューマンエラーのリスクは高まります。
休憩時間を1回入れるだけでも、モチベーションは格段にあがります。そして、休憩をとるために、どうすれば効率が上がるかを考えるようになります。
結果、10分の休憩を入れても、トータルのアウトプットは変わらなくなってきます^^
安全の欲求を満たすには
会社ができる「安全の欲求」を満たす方法は、2点です。
- 長時間労働をさせない
- 給料をあげる
どちらも会社経営に直結する大きな問題で、簡単にはいきません。。
働き方改革が浸透してきたというより、残業代をカットしたくて、長時間労働は目に見えて減ってきました。
でも給料は全然あがっておらず、残業代がなくなった分、生活は苦しくなってると思います。
この状況を打破する方法は、いまのところ副業しかありません。
副業禁止の会社はまだまだ多いですが、まず正式に副業を認めることが大切だと思ってます。
社会的な欲求を満たすには
人は、1人だと不安になります。家族や仲間、友達、チーム、グループに属して安心したいのが「社会的な欲求」です。
今の会社は、派遣社員が多く、離職率も高い。なかなかチームワークを深めることが難しくなってます。僕も知らない顔の人が会社にいっぱい居ます。
社会的な欲求を満たす具体的な方法は、小集団活動です。
小集団って聞くと、ちょっと古くさい響きもしますが、小さなチームを作って仕事をするイメージです。
チームは、5~6名程度がちょうど良いです。10人を全員の意思疎通をとるのが難しくなります。チームリーダーを1人作って、メンバー4~5名で一緒に仕事をするだけでOKです。
チームで大きな成果をあげようなんて考えなくて大丈夫。一緒に仕事をする、一緒に掃除をする、連絡事項をチームで共有する。それだけで社会的な欲求は満たされます。
会話が増えると、自然と改善のアイディアがでたり、困った時に相談し合います。
承認の欲求を満たすには
「自分の仕事ぶりを認めてもらいたい」、「業務の成果を評価してもらいたい」と思うのが承認の欲求です。
「直接ほめる」って手もあります。ほめられるとやっぱり嬉しいです^^
ただ、いつも褒めるって、なかなか難しいです。ちょっと嘘くさいし。。
ここも具体的な仕組みを作ります。その仕組は「改善提案制度」です。
「改善提案」・・・これも何となく古い響きですが、効果は高いです。
ポイントは、改善提案1件につき、報奨金を払うことです。報奨金がない改善提案は意味がありません。すぐ破綻します。
提案しても、認められたと言えないから。ちなみに僕の会社は、報奨金がありません。だから、良い提案がでてきません。これ当然^^;
金額は安くても、1件100円必ずもらえると思えば、みんな頑張ります。
そして報奨金は現金払いにすると、更にみんな燃えます。
会社で働いてる男の人は、だいたいお小遣い制です。(僕も) ダイレクトにお小遣いに反映できる制度があれば、頑張らないはずがない^^
これは、成功事例があって、未来工業さんが有名です。
まとめ:欲求を満たしてモチベアップ
生理的な欲求を満たすには
- リフレッシュルームに軽食の自販機をおく
- 無料で飲めるウォーターサーバーを設置する
- 2時間に1回ペースで休憩を入れる
安全の欲求を満たすには
- 安定した給料を支払う
- 給料アップが難しければ、副業を正式に認める
社会的な欲求
- 5名程度のチームを作って、一緒に仕事をする
承認の欲求
- 必ず報酬をだす改善提案制度にする
- 報酬は、現金払いがモチベーションを更にあげる
モチベーションは、ヒューマンエラー対策だけじゃなく、社員のやる気を引き出す大切なマインドです。
この記事が、モチベーションアップのヒントになればと思います。
それでは、また!m(_ _)m