ドイツを代表とするヨーロッパの自動車メーカーと仕事をしようとすると「VDA」という言葉がよくでてきます。
VDAは、ドイツ自動車業界の品質規格で、有名なメーカーが多数参加しています。ISO9001やIATF16949を厳しくしたものと思って大丈夫です。
ヨーロッパの自動車メーカーと取引をするためには、まずVDAの試験をパスしないといけません。
そして、VDA6.3の認証を受けるとき、最初に出てくるのが、ポテンシャル分析!
ポテンシャル分析って、何をすればいいの?
そんな疑問のある人に、この記事ではポテンシャル分析の意味と対応方法を解説します。
- ヨーロッパの自動車メーカーと取引を考えている人
- VDA6.3の認証を受けようと思っている人
- 自動車用の部品製造に関わっている人
ポテンシャル分析って、なに?
ポテンシャル分析は、VDA6.3規格で定められたフォーマットに沿った質問表です。
言い換えると、自己診断のチェックシート。
会社の品質レベルを自己診断して、取引を行う能力があるかを確認するために行われます。
自動車メーカーも、全ての製造会社を監査する時間はありません。
最低限の品質レベルがあるかを自己診断チェックシート=ポテンシャル分析で見極めようってことです。
メーカーからポテンシャル分析の提出依頼があって対応したのに、
- ポテンシャル分析の結果が悪い
- ポテンシャル分析を提出していない
こうなってしまうと、メーカーの選択肢から外れてしまいます。
自己診断ではありますが、ポテンシャル分析はすごく大切です。
ポテンシャル分析の内容
ポテンシャル分析の質問内容は、決まっていて全部で36個あります。
36の質問は、実際の工場監査で確認される項目の抜粋です。
質問の解答は、3段階から選ぶ選択式です。
採点は、緑・黄・赤の個数で行われます。
赤が1個でもあると、取引NGになってしまいます。(厳しい・・^^;)
黄色が15個でもアウトです。
条件付きってあるけど、どんな意味?
条件付きで取引可能とは、量産するにはまだちょっとこわいので、リスクを最小にして取引をすることを指します。
- 少量での生産
- 特定の製品に限定した生産
このように生産数が少なければ、問題が起こっても大きくなりません。少量生産しながら、黄 → 緑にしていくイメージです。
ポテンシャル分析の具体的な対応
ポテンシャル分析の質問の内容は、P2からP7まであります。
ポテンシャル分析の質問内訳
質問項目 | 質問の数 |
---|---|
P2:プロジェクトマネジメント | 7 |
P3:製品及びプロセス開発の計画 | 2 |
P4:製品及びプロセス開発の実施 | 3 |
P5:サプライヤーマネジメント | 5 |
P6:生産プロセス分析 | 15 |
P7:顧客ケア、顧客満足、サービス | 4 |
合計 | 36 |
それぞれの質問に対して、大枠の基準を考えてみます。
あくまで個人的な見解なんで、参考程度にお願いしますm(_ _)m
また、質問の内容は省略して質問の番号にしてます。
P2:プロジェクトマネジメント
P3:製品及びプロセス開発の計画
P4:製品及びプロセス開発の実施
P5:サプライヤーマネジメント
P6:生産プロセス分析
P7:顧客ケア、顧客満足、サービス
質問の内容をみると、だいたい「Yes(緑)」 or 「No(赤)」で回答できそうです。
逆に「赤」に該当する質問には、組織や仕組みを作る必要があります。
正直に回答していくと「黃」の部分が結構でてくると思います。このとき「70点位はあるなぁ」と思ったら、「緑」にして良いと思います。
怒られるかも知れませんが、組織や仕組みがあれば、内容が多少不十分でも、今後レベルアップしていけばOKだと思っています。m(_ _)m
まとめ:ポテンシャル分析は自己診断!
- ポテンシャル分析は、VDA6.3の第1歩です。
- まずは自己診断で自分の会社の実力を把握しましょう。
- 赤1個や黄色が15個あると、取引できませんので注意が必要です。
めっちゃ大変ですが・・・。頑張っていきましょう!
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