工程管理

【初心者向け】製造現場でのFTA(故障の木解析)の使い方を解説!

木の枝

 

製造の現場で、品質事故やお客様のクレームを受け付けた際に原因を究明する手法にFTA(Fault Tree Analysis)があります。日本語に直すと「故障の木解析」と言います。

 

現場での原因調査のために、何度もFTAを使ってきましたので、その使い方について紹介していこうと思います。

FTAの使い方をネットで検索しても、あまり現場で使えそうな具体的なものはありませんでした。

本記事では、実際にFTAを使ってきて、どう考えれば良かったか?どんな使い方をしてきたか?を説明しようと思います。

僕の簡単な経歴

製造現場に近いところで、20年以上品質管理の仕事をしてきました。理論的な考え方より、現場で使ってきた実践的な考え方を紹介できればと思っています。それは本来の考え方・使い方じゃないよ!って箇所もあるかも知れません。でも、ツールはあくまで手法なので、目的にたどり着ければOKだと考えています^^

 

こんな方におすすめ
  • FTAをこれから使おうと思っている人
  • FTAを使っているけど、どうもしっくりこない人

 

FTAの考え方

 

FTAは、何かトラブルが発生したことを起点にスタートします。似たものに特性要因図(フィッシュボーン)がありますが、考え方は同じで見た目が違うだけと思って問題ありません。

特性要因図はQC7つ道具の1つですが、すごく使いずらいです。

 

僕も最初から特性要因図で原因究明をしたことがありません。FTAを理解していれば、特性要因図は形を変えるだけなので、気にする必要はないです。

 

経験上の少し偏った意見ですが

海外のメーカーはフィッシュボーンが好きで、日本のメーカーはFTAが好きな気がします。海外のレポートにフィッシュボーンが必要で、書き換えたことが何度かあります。文化の違いかも知れません(^^;;

 

FMEAとの違い

FMEAは、トラブルが起きる前に事前にリスクがないかを解析するツールです。もし、十分なFMEAを作成できていれば、FTAを考える必要はありません。

 

FTAをする」と言うことは「トラブルが起こった」ことになるので、FMEAが十分でなかった!もしくは、FMEAでリスクが高いことはあらかじめ分かっていた!ことになります。

 

僕は、FMEAが最も現場管理に使えるツールだと考えています。FMEAを既に作成しているのであれば、FTAを行う前にFMEAを確認してみて下さい。FTAとFMEAにはアプローチする順番が違うだけで、密接な関係があります。

 

FTAのフォーマット

フォーマットは、Excelで作るのが使いやすいです。一般的なフォーマットはこんな感じです。

FTAの様式

 

基本的に分類1は、5M1EをベースにすればOKです。FTAは、分類2にどれだけの要因を書き出せるかがポイントです。




FTAの進め方

 

①FTAチーム・リーダーの選定

トラブルが発生した場合、問題解決のチームを作ります。メンバーは、会社組織の各部署から経験のある人を選定しましょう。その分野にどれだけ多くの知識を持っているかが大切です。また、リーダーが居なければ、どの方向に進めば良いか意思決定に時間がかかりますので、責任あるリーダーを必ず決めて下さい

 

②トラブルの原因なりそうな項目を思いつく限り並べる

フォーマットの分類2の欄になります。これは大丈夫だろう!という考えは一旦やめて、少しでも原因に関係しそうなものは書き出して下さい。「人」の部分は現場に詳しい人、「装置」の部分は機械に詳しい人など、役割分担することも問題ないです。最終的には、メンバー全員でレビューしますので、思いつくまま全てあげましょう

 

③抽出した要因を調査する

1つの要因に対して、客観的な証拠になるデータを調査します。調査結果は、数値や記録と具体的なものが必要です。人の証言や想像だと要因を消せる証拠にはならないので注意しましょう。

 

④1次判定する

具体的な根拠がある要因は、トラブルの要因ではない!として除外(◯)をします。例えば、「規格10±2cmに対して、調査結果10.5cmだったので問題なし」などです。証拠が不十分だったり、NGだった項目が対象(×)として残します。

 

⑤再現実験を行う

可能性が残った項目(×)に対して、再現させてみて同じトラブルが発生するか検証します。再現させずに要因を特定すると間違っていることに気が付かないので注意して下さい。

 

⑥原因の特定!

同じトラブルが再現すれば、その項目が原因で間違いありません。対策に移りましょう!

 

⑦どれも再現しない!?

まれに再現しないことがあります。その場合、大半は「分類2」での抽出不足だと思って下さい。もう1度、原因の洗い出しをしましょう。

 

原因にたどり着けない場合の対処法

どうやってもトラブルが再現せずに息詰まることがあるかも知れません。

その場合、時間はかかりますが、現場レベルでのFMEA作成が結果的に近道です。既にFMEAがある場合は、FMEAを持って現場作業を1つ1つチェックしていく作業をします。FMEAに抜け漏れが必ずあるはずです。

 

FMEAの作成方法は別の記事を参照下さい。

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FMEAへの反映

トラブルの要因・対策内容は、全てFMEAに反映します。

トラブルの対策が、発生対策なのか?流出対策なのか?色々な改善施策があると思います。FMEAはその全てを網羅することができます。

 

FMEAはトラブルを積み上げることで精度があがり、会社の財産になります。今回のトラブルを教材して、FMEAを見直すことで再発を予防できます。

 

本記事は以上となります。最後までお付き合い、ありがとうございました。