「5M1E」、製造現場で働く人ならよく聞く言葉だと思います。5M1Eは、6つの言葉の頭文字をとって呼ばれる略称になります。
5M1E | 日本語 | 英語 |
---|---|---|
1M | 人 | Man |
2M | 装置 | Machine |
3M | 材料 | Material |
4M | 方法 | Method |
5M | 測定 | Measurement |
1E | 環境 | Environment |
特に順番のきまりはありません。好みで変えてもOKですが、上の順番になることが多いです。
理由は5M1Eが登場するシーンは、だいたい現場で何か不具合が起こったとき、もしくは何かを変更するときです。
そのとき重要になりそうなものから順番にしておくと、見栄えが良い。。それだけ^^;
この記事では、よく使われる5M1Eの1つ1つの内容をお伝えします。
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5M1Eの使い方
5M1Eって、トラブルが起こったときに使うの?
答えは、「Yes」です。
トラブルが発生したときは、必ずどこかに原因があります。
何が悪くて、問題が起こったのか?
原因を調査するときに、思いつくものを手当たり次第に調べても、時間をムダにしたり、抜けがあったりします。調査する内容を整理するのに5M1Eが活用できます。
5M1E | 調べる内容 | 調査結果 |
---|---|---|
人 | オペレーションをミスしたから、問題が起こった? | |
装置 | 機械が故障したから、問題が起こった? | |
材料 | 使ってる材料が悪かったから、問題になった? | |
方法 | 使い方が悪かったから、問題になった? | |
測定 | 正しく測定できなかったから、問題に気付けなかった? | |
環境 | 温度や湿度があわなかったから、問題が起こった? |
経験上、問題の原因は、必ずこのどれかになります。そして、原因になる多い順番が
- 人(Man) :40%
- 装置(Machine):30%
- 材料(Material):10%
- 方法(Method) :10%
個人的な感想ですが、人と装置が上位を占めてる感覚があります。
5M1Eの表を使うことで、原因調査の取り掛かりが分かりやすくなります。
変更管理にも使えるの?
いきなりですが、変更管理にも使えます^^
「トラブルが起こるときは、必ずどこかに変化したことがあるはずだ!」という考え方があります。
これまで安定してモノが作れていたのであれば、変化がなければ、同じモノが作れるという思想です。
このため、多くのメーカーは変化を嫌います。できれば変更せずに、同じ状態で作り続けたい。ただ、いろんな事情で、材料を変えたり、装置を変えたりしないといけない時はあります。
- 材料の生産自体がなくなったり
- 装置が古くなって、動かなくなったり
その際の変更ポイントの説明に、5M1Eがでてきます。
例えば、装置を新しくする場合
5M1E | 変更の有無 | 変更の理由 |
---|---|---|
人 | なし | ー |
装置 | 有 | 装置が古くなったため、最新機種に変更 |
材料 | なし | ー |
方法 | なし | ー |
測定 | なし | ー |
環境 | なし | ー |
装置だけを新しくするので、人や材料、方法などに変化はありません。装置の変更だけに着目すれば良いことが分かります。
モノを作る場所が別の工場に変わる場合
5M1E | 変更の有無 | 変更の理由 |
---|---|---|
人 | 有 | オペレータの入れ替わりが発生 |
装置 | 有 | 装置が別の機種に変わる |
材料 | なし | ー |
方法 | なし | ー |
測定 | なし | ー |
環境 | 有 | 作る場所が○→○へ変わる |
いくつかの変更点がでてきます。
それも5M1Eの表があれば分かりやすいです。人、装置、環境の変化に着目すれば良いことが分かります。
5M1Eの表を使うことで、変更点のポイントを分かりやすく整理できます。
5M1Eのそれぞれは何を意味してるの?
5M1Eの要素となっている1つ1つが何を意味するか説明します。
人(Man)
オペレータ(作業する人)の要素です。
料理に例えると、料理人にも、ベテランや初心者や達人といったスキルのバラツキがあります。同じスキルの人でも、その日の体調や気分によって、集中力がかけて、ミスをするかも知れません。
そのような人に関わるのことを表します。
- スキル
- 経験年数
- 体調
- 勤務状態
装置(Machine)
モノを作るために使う装置・設備といった機械の要素です。
機械の調子が悪くては、良いものはできません。機械のメンテナンスをしないと、同じ状態で動いてくれないものです。
今の機械は、エラーで教えてくれる機能もあります。トラブルが起こって、機械を調べたら、エラーが何十回も発生してた!ってことはよくあります。
- 故障(修理)の履歴
- エラーの発生状況
- 使用年数
- 前回のメンテナンス日
- 今の状態チェック
材料(Material)
製品や商品に使う材料の要素です。
料理だと、お肉、お魚、野菜などの材料ですね^^
製品でも、いろんな部品や原材料と呼ばれるメーカから買っているものがあると思います。その原材料や部品が悪ければ、完成品は悪いものになります。
- 原材料に問題がなかったのか
- 購入した部品は、正常だったのか
方法(Method)
方法は、モノの作り方に関する要素です。
作業する人のミスはなくて、作り方が間違っていることを意味します。レシピ通り作ったのに、料理がまずい・・・。そんなイメージです。
- 作り方に間違いはないか?
- 指示した方法の通りに作ったら、本当に良いものができるのか?
測定(Measurement)
正しい数値が測定できない状態です。
測定した数値は表示されてるけど、間違ってる。その数値を信じて作っても、本当の値は違うので、良いものはできません。^^;
また、測定者が正しい測定ができていない状態も、測定になります。
だた、作業ミスの要素が大きければ「人」に、測定方法の間違いが大きければ「方法」になることがあります。
測定器が壊れかけていることや、正しく測定できないことを指します。
- 計測機器の故障
- 正しく測定できているか
- 正しい方法で測定されているか
環境(Environment)
環境は、作業の場所、材料を保管する場所といったエリアの温度、湿度、状態を指します。
冷蔵庫は壊れてなくても、冷蔵庫の設定温度が違っていたり、扉に隙間があって冷えなかったり。
冷蔵されてなければ材料がいたんで、美味しいものは出来ませんよね^^
- 温度
- 湿度
- 置き場所の状態
まとめ:5M1Eは基本的な考え方
5M1Eは、いろんな場面で使えて便利な考え方です。
- 人(Man)
-
- 人のスキル・経験・体調・状態を表す
- 装置(Machine)
-
- 装著の故障・エラー・状態を表す
- 材料(Material)
-
- 原材料・購入部品は良いもの?
- 方法(Method)
-
- 作り方は正しい?
- 測定(Measurement)
-
- 測定した数値は間違ってない?
- 環境(Environment)
-
- 作ってる場所や保管場所はいい状態?
普段の仕事に役立てばと思います^^
最後までお付き合い、ありがとうございました。