工程管理

【初心者向け】力量評価って何?を分かりやすく解説^^

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こんにちは、さくみずパパです。

製造業の工場で25年ほど、品質管理の仕事をしてます。毎年、IATFの審査で従業員の力量について説明させられてます(^^;

力量って普段の生活だと、あまりなじみのない言葉ですが、ISO9001やIATF16949の審査では必ず確認されます。「スキル」や「能力」のことを意味してます。

 

車を例にすると、運転技術、ドライビングテクニックですね^^

品質を維持するために、ちゃんと技術をもった人が作業して下さいね

って言うのが、ISOやIATFが求めていることになります。

 

実際、ISO9001に何が書かれているかというと(2020年時点)

7.2 力量

組織は、次の事項を行わなければならない。

  1. 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務をその管理下で行う人(又は人々)に必要な力量を明確にする。
  2. 適切な教育、訓練又は経験に基づいて、それらの人々が力量を備えていることを確実にする。
  3. 該当する場合には、必ず必要な力量を身につけるための処置をとり、とった処置の有効性を評価する。
  4. 力量の証拠として、適切な文書化した情報を保持する。

 

うーん、、ちょっと何言っているか分からない・・・

 

日本語って難しいですよね(^^;

この記事では、この要求事項に対して、具体的に何をすれば良いのか?を解説していきます。

この記事を読んでいただけることで、ISO9001の審査を簡単に乗り越えることができます^^

 

こんな方におすすめ
  • これからISO9001やIATF16949の審査を受ける人
  • 作業者の教育方法を具体的に知りたい人

 

力量評価って、なに?

Hand with marker writing, Skill concept

 

力量評価は、「その人がもっているスキルや能力を客観的に評価すること」です。

その具体的な方法が、ISO9001の公式文書の「7.2 力量の①~④」

その①~④をもう少し分かりやすい日本語にすると、

  1. 上司の人は、部下の人が仕事をするために必要な力をはっきりさせましょう。
  2. 部下の人には、教育や経験をつませて、力を身につけさせましょう。
  3. 教育や経験をつませた後は、ちゃんと力が身についたか確認しましょう。
  4. 必要な力を、経験させて、確認したことは、記録しましょう。
  5. ①~④の内容は、文書にして、誰でも同じことができるようにしましょう。

こんな感じになります。

 

これを車の運転で考えると
  1. 必要な力=ハンドル操作、アクセルとブレーキの踏み方、交通ルールの理解
  2. 教育と経験=教習所での練習、運転教本の座学
  3. 力の確認=運転試験(実技と筆記)の合格
  4. 記録=教習所での受講記録や試験の合格書(運転免許書)
  5. 文書=法律に書かれてること

になります。

運転するための知識を得て、技術を学んで、試験に合格する。そして、定期的に免許の更新を行う。

この一連の流れが「力量評価」です。

 

運転免許証をもってない人が運転すると事故が起こります。同じように、免許証をもってない人が作業をすると、トラブルが発生します。

トラブルを防止するために、「この人のスキルは、どの程度あるんだろうか?」をはっきりさせることが力量評価の目的です。

一般的に力量の評価は、5段階に分かれています。

レベル1 初心者(新人さん) → 1人で作業してはダメ
レベル2 簡単な作業はOK
レベル3 普通の作業までOK
レベル4 難しい作業をしても良い
レベル5 みんなに教えることができます^^
ここも車の運転を例にすると
  • レベル1:仮免での路上運転
  • レベル2:初心者マークで運転
  • レベル3:一般ドライバー
  • レベル4:大型車や特殊車両も運転OK
  • レベル5:教習所の先生

 

レベル2の人は、大型車や特殊車両を運転するには、力不足です。運転するには、さらに教育を受けて、練習して、専用の免許をもらう必要があります。

力量評価とは
  • 今の自分の力を知って、自分に不足している力を補っていく。
  • そして、自分をレベルアップさせていくこと一連の流れを言います。
  • 個人、1人1人に評価を行っていきます。



具体的に何をすれば良いの?

Business concepts, skill up

 

力量評価をスムーズに行うためには、6つのモノを準備すると良いです。

  1. 仕事に必要なスキルの箇条書き
  2. 必要なスキルに対して、今の実力
  3. 目指すべきスキルのレベル
  4. 教育の計画
  5. 教育を実施した記録
  6. 教育した後の実力

 

①~⑥までをまとめて、「力量評価シート」というものを準備しておくと便利です。

お寿司屋さんでの修行をイメージすると、力量評価シートはこんな感じになります。

お寿司屋さんでの仕事
力量の図1

力量シートの①〜⑧を、それぞれの解説します。

①種類

スキルの内容を分かりやすくするためのものです。ここでは、実際に体を動かして覚える「実技」と、教科書や本、テキストを使って学ぶ「学科」に分けました。

分け方は、お好みです^^

 

②必要なスキル

仕事をする上で必要になるスキルの箇条書きです。

作業を1つ1つステップごとに書き出します。1つのステップは、細かくなり過ぎず、大枠にならない「ひとくくり」にします。

そうすることで、

  • どこまで教えたか?
  • どこまで知識があるか?
  • どの作業を任せることができるのか?

がひと目で分かるようになります。

 

③求められる実力

この欄に、ここまでは成長して欲しい、実力をつけて欲しいという目標のスキルレベルを記入します。このスキルレベルを目指して、努力していきます。

 

④今の実力

自分が考える今の実力を入れる欄です。要求される実力とのへだたりを意識します。

もし、求められる実力と今の実力が同じであれば、そのスキルに関しては、スキルアップの必要はないことを意味します。

その場合は、特に教育する必要はなくなり、⑤~⑧はしなくてよくなります。

 

⑤教育内容

スキルアップするために行う具体的な教育プランです。

多くの場合は、指導する先輩が、身振り手振りで教えて、実践するOJTだと思います。OJTは、オン・ジョブ・トレーニングの略語になります。(On-the-Job-Training)

OJTについては、こちらの記事で詳しく解説してます。

【初心者向け】製造現場でのオン・ジョブ・トレーニング(OJT)の具体的な方法を紹介新入社員を教育するのって、大変ですよね^^; 何を教えれば良いのか? どうやって、教えれば良いのか? 新人...

⑥教育予定日

教育する日付や期間をあらかじめ設定しておきます。

①~⑥までを力量評価シートを作成したときに記入します。

後は、力量評価シートで計画した通りの教育を行って、教育終了後にスキルアップできたかを確認します。

一般的には、1年単位で力量評価シートが作成されています。1月にたてた目標を、12月に振り返るようなイメージです。

 

⑦教育実施日

実際に教育を行った日や期間を記入する欄です。「ちゃんと教育したか?」の記録(エビデンス)になります。

 

⑧教育後の実力

1年間を通してスキルアップに努めた成果があるか?を評価します。上司の人から見た実力評価になります。

思ったように伸びなければ、また来年、スキルアップ計画を作るような使い方をします。

もし、全ての要求をクリアできていれば、翌年はさらなるステップ「わさびをつける」や「寿司ネタをのせる」といった作業の習得に移行します。

まとめ

力量評価って、なに?
  • 力量評価は、これまで先輩の作業を目で見て覚える(盗む)といったものを、数字を使って、誰もが見えるようにしたものです

見える化することで

  • 自分に不足しているスキルは何か?
  • なんの勉強をすれば良いのか?
  • どこまで習得できたのか?

がわかりやすくなります

  • ISO9001やIATF16949の審査では、必ず確認される大切な考え方です
  • 力量評価を使うことで、作業者の知識不足や経験不足、実力不足でのトラブルを防止することでできます

日本の企業では、まだ浸透していない(実際に活用できていない)ものかも知れませんが、使いこなせれば有効なツールです。

力量評価に関する知識の参考になったらうれしいです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m