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【初心者向け】力量評価って何?を分かりやすく解説^^

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ISO9001やIATF16949など、国際的な品質規格では、力量というものが要求されます。力量って、あまり馴染みのない言葉ですが、「スキル」や「能力」のことだと思えば大丈夫です。

車を例にすると、運転技術、ドライビングテクニックですね^^

 

品質を維持するために、ちゃんと技術をもった人が作業して下さいね

って言うのが、ISOやIATFが求めていることになります。

 

実際、ISO9001に何が書かれているかというと、

7.2 力量

組織は、次の事項を行わなければならない。

  1. 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務をその管理下で行う人(又は人々)に必要な力量を明確にする。
  2. 適切な教育、訓練又は経験に基づいて、それらの人々が力量を備えていることを確実にする。
  3. 該当する場合には、必ず必要な力量を身につけるための処置をとり、とった処置の有効性を評価する。
  4. 力量の証拠として、適切な文書化した情報を保持する。

 

うーん、、ちょっと何言っているか分からない・・・

 

日本語って難しいですよね(^^;

この記事では、この要求事項に対して、具体的に何をすれば良いのか?を解説していきます。

 

こんな方におすすめ
  • これからISO9001やIATF16949の審査を受ける人
  • 作業者の教育方法を具体的に知りたい人

 

力量評価って、なに?

 

力量評価は、ある人がもっているスキルや能力を、客観的に評価すること、を言います。

その具体的な方法が、「7.2 力量の①~④」になります。

その①~④をもう少し分かりやすい日本語にすると、

  1. 上司の人は、部下の人が仕事をするために必要な力をはっきりさせましょう。
  2. 部下の人には、教育や経験をつませて、力を身につけさせましょう。
  3. 教育や経験をつませた後は、ちゃんと力が身についたか確認しましょう。
  4. 必要な力を、経験させて、確認したことは、記録しましょう。
  5. ①~④の内容は、文書にして、誰でも同じことができるようにしましょう。

こんな感じになります。

 

車の運転に例えると
  • 必要な力=ハンドル操作、アクセルとブレーキの踏み方、交通ルールの理解
  • 教育と経験=教習所での練習、運転教本の座学
  • 力の確認=運転試験(実技と筆記)の合格
  • 記録=教習所での受講記録や試験の合格書(運転免許書)
  • 文書=法律に書かれてること

1人で運転できるようになるまでの過程と同じことを、会社でもして下さい。ということですね^^

 

教育してなくて、免許をもってない人が運転すると、事故が起こります。同じように、何も知らない人が、仕事をすると、不具合や問題が発生します。

 

今、この人の力は、どの程度あるんだろうか?をはっきりさせることが、力量評価の目的です。一般的に力量の評価は、5段階に分かれています。

レベル1 初心者(新人さん) → 1人で作業してはダメ
レベル2 簡単な作業はOK
レベル3 普通の作業までOK
レベル4 難しい作業をしても良い
レベル5 みんなに教えることができます^^

 

ここも車を例にすると
  • レベル1:仮免での路上運転
  • レベル2:初心者マークで運転
  • レベル3:一般ドライバー
  • レベル4:大型車や特殊車両も運転OK
  • レベル5:教習所の先生

 

レベル2の人は、大型車や特殊車両を運転するには、力不足です。運転するには、さらに教育を受けて、練習して、専用の免許をもらう必要がありますよね。

力量評価とは
  • 今の自分の力を知って、自分に不足している力を補っていく。
  • そして、自分をレベルアップさせていくこと一連の流れを言います。
  • 個人、1人1人に評価を行っていきます。

 

具体的に何をすれば良いの?

 

力量評価をスムーズに行うためには、6つのモノを準備すると良いです。

  1. 仕事に必要なスキルの箇条書き
  2. 必要なスキルに対して、今の実力
  3. 目指すべきスキルのレベル
  4. 教育の計画
  5. 教育を実施した記録
  6. 教育した後の実力

 

①~⑥までをまとめて、「力量評価シート」というものを準備しておくと便利です。

イメージ的には、こんな感じです。

お寿司屋さんでの仕事
力量の図1

 

それぞれの意味合いを説明していきます。

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①種類

スキルの内容を分かりやすくするためのものです。ここでは、実際に体を動かして覚える「実技」と、教科書や本、テキストを使って学ぶ「学科」に分けました。

分け方は、お好みです^^

 

②必要なスキル

仕事をする上で必要になるスキルの箇条書きです。

どの程度こまかくするか悩むところですが、力量評価シートでは、1つの過程や作業といった一区切りできる纏まりにした方が使いやすいです。

その作業は任せることができる、その分野の知識は覚えている。といった大枠ですね。

 

③求められる実力

この欄に、ここまでは成長して欲しい、実力をつけて欲しいという目標のスキルレベルを記入します。このスキルレベルを目指して、努力していきます。

 

④今の実力

自分が考える今の実力を入れる欄です。要求される実力とのへだたりを意識します。

もし、求められる実力と今の実力が同じであれば、そのスキルに関しては、スキルアップの必要はないことを意味します。

その場合は、特に教育する必要はなくなり、⑤~⑧はしなくてよくなります。

 

⑤教育内容

スキルアップするために行う具体的な教育プランです。

多くの場合は、指導する先輩が、身振り手振りで教えて、実践するOJTだと思います。OJTは、オン・ジョブ・トレーニングの略語になります。(On-the-Job-Training)

 

⑥教育予定日

教育する日付や期間をあらかじめ設定しておきます。

①~⑥までを力量評価シートを作成したときに記入します。

後は、力量評価シートで計画した通りの教育を行って、教育終了後にスキルアップできたかを確認します。

一般的には、1年単位で力量評価シートが作成されています。1月にたてた目標を、12月に振り返るようなイメージです^^

 

⑦教育実施日

実際に教育を行った日や期間を記入する欄です。ちゃんと教育したか?のエビデンスになります。

 

⑧教育後の実力

1年間を通してスキルアップに努めた成果があるか?を評価します。上司の人から見た実力評価になります。

思ったように伸びなければ、また来年、スキルアップ計画を作るような使い方をします。

もし、全ての要求をクリアできていれば、翌年はさらなるステップ「わさびをつける」や「寿司ネタをのせる」といった作業の習得に移行します^^

 

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まとめ

力量評価は、これまで先輩の作業を目で見て覚える(盗む)といったものを、数字を使って、誰もが見えるようにしたものです。

 

自分に不足しているスキルは何か?、何の勉強をすれば良いのか?、何が習得できているのか?、がよく分かります。

 

ISO9001やIATF16949の審査では、必ず確認される大切な考え方です。

 

日本の企業では、まだ浸透していない(実際に活用できていない)ものかも知れませんが、使いこなせれば有効なツールだと思います。

 

力量評価に関する知識の参考になったら、うれしいです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました^^