工場の現場で働いていると、5Sが重要!5Sを徹底的にやろう!!っと言っている人が居ると思います。でも、
という心の声が聞こえてきます。
一般的なキレイなことを書いている記事はよく目にしますが、どれも現場の人から見ると、ちょっと違うなぁというのが正直なところです。
ここでは、現場の作業者目線に立って、具体的な5S活動のやり方について紹介して行きます。
- 整理:いらないモノを捨てる
- 整頓:探すムダを無くす
- 清掃:身の回りをキレイにする
- 清潔:キレイな状態を維持する
- 躾 :よりキレイにする意識を持つ
5S活動は、1日、2日では出来ません。毎日少しずつ行う事がコツです。具体的に何からやっていけば良いか説明していきます。
時間の確保
まず、最初に行うことは時間の確保です。5S、5Sと言っている会社ほど、時間をきちんと取れていません。
あなたの会社に5Sタイムはありますか?
以前は、仕事が終わった後に片付けや掃除をしていました。それはある種サービスです。5Sが重要というからには、5Sを仕事にするべきです。
大手ショッピングモールに行くと業務時間中に清掃タイムのアナウンスがあり、音楽が流れます。大手テーマパークには、清掃する専用の部署があります。仕事と思えば、5Sを面倒とは思いません。これはマネジメントの問題です。
5Sが重要と本当に思っている上司の方々は、きちんとした5Sタイムを作りましょう。口だけでは、みんな本気になりません。
5Sタイムは1日15分程度で十分だと思います。準備と片づけで5分、実際の5S活動が10分です。流行りの音楽をかけると効果的で、5Sタイムがリラックスできて、楽しい時間に生まれ変わります。
リーダーを決める
工場の現場は、広い作業エリアがあります。
そのエリアごとに5Sのリーダーを決めましょう。そのときのポイントは、5Sリーダーに権限を与えることです。
物事がうまく行かない時は、決定する人がいない、もしくは誰も決定しない(譲り合う)ことが多いです。1つ1つ課長や部長の判断を待っていたら、なかなか前へ進みません。
5Sに関する決定は、リーダーに任せましょう。責任あるリーダーが現場を変えてくれます。
整理の実践
「いらないモノを捨てる」と簡単に言えますが、捨てるには勇気がいります。モノを捨てれない人・・・よく居ますよね。どちらかと言えば僕もそうです。捨てたあとに後悔したくない気持ちがどこかにあります。
迷ったら、リーダーの出番です。
捨てる!捨てない!を判断しましょう。迷っている時点で、だいたい捨てても大丈夫です。思い切って捨てましょう!
整理の効果的な手法として、物品リストを作るや赤札を貼るというものがあります。実際やってみましたが、あまり意味がありませんでした。リストを作ったり、赤札を貼って、みんなで協議しても、その作業に時間を取られてしまいます。リストを更新することも一苦労です。
モノを整理するために、リストの整理をしていては、本末転倒です。
捨てる物に貼った日付・名前、捨てる理由を記入して赤い札を貼る活動です。
まだ捨てないと思った人は、必要な理由を赤札に書き加えます。1週間後、誰も必要な理由を書かなければ、そのまま捨てる仕組みです。
- 見た目が悪い(赤い札がいっぱいある)
- 赤札を管理する手間がかかる
- 必要理由がなくても、結局捨てる時に考える(本当に捨てて良いのかな?みんなちゃんと赤札見たのかな?)
整頓の実践
現場での整頓は、「名前の表示」と「モノの区画」です。
何となく、電卓を移動させたくなりませんか?
人は、線があるとその中に入れたくなります。名前があると違うモノを置きにくくなります。
表示と区画で注意するポイントは、色と角度です。
人は、潜在的に色に意味を感じます。
ちょっと気持ち悪くないですか?
色には、国際的に信号機と同じ意味合いがあります。
- 青・緑:安全・OK・Go・Good
- 黃 :注意・途中
- 赤 :危険・NG・ストップ・異常
日本人にも馴染みがありますので、配色は、青・緑をベースにすると良いと思います。赤は、重要な箇所だけに使用しましょう。
また、区画が斜めだと大きなマイナスです。まっすぐなっていない、曲がっているだけで、すごく印象が悪くなります。
どれも気持ち悪いですよね。
区画のポイントは、水平と垂直の平行度です。
清掃の実践
清掃のポイントは、標準化です。
日々の5S活動で、同じことが出来るように実施することを言葉(文書)にします。文書には、下の5つをはっきりと書き込みます。
- 清掃のエリア(Aさんはどこを担当する?)
- 清掃の時間(◯時◯分~◯時◯分)
- 清掃の道具(何を使って掃除するのか)
- 良い状態・悪い状態の写真
- 清掃した記録(責任を持って清掃した証)
最初は文書を見て清掃しますが、1週間もすれば見なくても大丈夫です。
清潔の実践
清潔のポイントは、気付きです。
整理・整頓・清掃ができているかチェックします。
チェックする人は、5Sリーダーと役職者(課長・部長・社長)が適任です。役職者の方が見てまわるだけで、現場のモチベーションは上がります。時間がなかなか取れないかも知れませんが、5Sが重要と言っている以上、ここは頑張りどころです。
現場で気付いたところは、写真に撮って記録しましょう。
エリアを担当する人、全員で写真を見て、明日からの5S活動の糧(かて)にします。
写真を使うと5S改善のアピールにもなります。
躾(しつけ)の実践
躾のポイントは、モチベーションの維持です。
みんなのモチベーションを保つことは非常に難しいです。慣れてくると、「今日はやらなくても良いかなぁ」って思う日が誰にでもあります。
過去の経験で、有効だった手段は、毎日の唱和とランキングです。
朝会や朝礼で、5Sを順番に読み上げていきます。「意味あるの?」と思う人が居るかも知れませんが、声に出すことで、自分の脳に再認識されます。確実にモチベーションの低下を防止してくれます。
エリアごとのグループで5Sチェックの点数を競って、1位を決める方法です。毎月、表彰会を行って、1位に10,000円、2位に5,000円、3位に3,000円と報奨金を出すだけで、現場は活気に満ちてきます。この金額には十分投資の価値があります。
5Sの目的
ここまで、現場の5S実践を書いてきましたが、その最大の目的は、「会社の利益を上げる」ことです。
どちらのお店に行きますか?
見た目が悪いお店に入るのには、勇気がいりますよね。お店がキレイだと、それだけで安心します。
見た目は、お店の売上に大きく関係します。見た目がよくなる最良の手段が5Sです。
まとめ
- 【時間の確保】5S活動は仕事です。きちんとした5Sタイムを設定しましょう!
- 【リーダーの選出】5Sリーダーには権限を与えます。責任あるリーダーが現場を変えてくれます!
- 【整理】5Sリーダーが判断して、思い切って捨てましょう!
- 【整頓】色と水平・垂直に気を付けて、現場を見えやすくしましょう!
- 【清掃】毎日行うことを文書にして、誰も間違わない5S活動をしましょう!
- 【清潔】気付いたポイントを写真に撮って共有しましょう!役職者の頑張りドコロです。
- 【躾】毎日の唱和と毎月の表彰会で現場を活気付けましょう!
本記事は以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。