クリーンルームってどんなとこ?入り方から管理の方法まで分かりやすく紹介!

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この記事をご覧の方は、クリーンルームで仕事をしている人か、これからクリーンルームで働こうとしている人だと思います。

求人にクリーンルーム作業って書いてたんだけど、どんなことするの?

クリーンルームって、初めて聞いたけどイメージできないなぁ

なかなか馴染みのないクリーンルームですが、クリーンルームの中で仕事をする工場は結構あります。

名前の通りキレイな部屋(空間)が必要な場所です。

クリーンルームで仕事をする職種の例
  • 半導体
  • 食品
  • 医療機器
  • 病院(手術室)

僕は半導体の製造工場で働いてますが、この会社に就職するまでクリーンルームの存在自体を知りませんでした(^^;

知らない人にとっては、どうして良いか分からない、ちょっとコワイ世界ですよね。

この記事では、クリーンルームの入り方から、気をつけるポイント、どんな管理をすれば良いかを解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • クリーンルームでの仕事に少し興味がある人
  • クリーンルームでこれから仕事をする人
  • クリーンルームがどんな所か知りたい人

YouTube動画での解説はこちら

目次

クリーンルームって、どんなとこ?

クリーンルームは、普段生活している場所より塵(ちり)をどんどん少なくしている部屋です。ゴミではなく、塵(ちり)という言葉を使ったのは、人の目に見えない大きさのゴミだから。

一般的には、1つの塵の大きさが0.5umのものを指します。ダストパーティクルと呼ばれます。

「um」とは

ミクロンやマイクロメーターと呼ばれる単位です。1mm=1,000umですので、0.5umは、0.5mmのシャープペンの芯を1,000に分割した大きさ。・・見えませんね^^;

クリーンルームは、ダストの少なさによってレベルがあります。

ISO規格だと8段階、アメリカの標準的な規格(FED規格)だと6段階です。2つあってややこしいですが、どちらも良く聞きますので、2つの規格を紹介します。

ISO規格
クラスダスト個数(0.5um/m3
0個
4個
35個
352個
3,520個
35,200個
352,000個
3,520,000個

ISO規格は「1メートルの立方体の中に何個ダストがあるか?」を見ています。

FED規格
クラスダスト個数(0.5um/cf)
11個
1010個
100100個
1,0001,000個
10,00010,000個
100,000100,000個

FED規格は「1フィートの立法体の中に何個ダストがあるか?(1フィート=約0.3メートル)」を見ています。単位は[cf]ですが、[キュービックフィート]の略称です。

仕事の内容で必要とされるクラスは違ってきます。

ISO規格のクラス1や2だとダスト1つあってはダメな空間ですので、テレビに出てくる宇宙服のようなものを着て作業するようになります。人が発する息さえもダストになります。

食品工場や精密部品を組立てる工場だと、ISO規格のクラス6~8が一般的です。この場合でも、クリーンスーツ(防塵着とも言います)を着て作業する必要があります。

高いレベルのクリーンスーツ一般的なクリーンスーツ

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クリーンスーツは、人が着ている衣服から出るダスト(繊維くずや皮膚、汗などの)を防止する効果があります。

スーツの他にマスク・フード・手袋・クリーンルーム専用のブーツも着用する必要があります。クリーンルームとは、ダストが少ない空間を作るために、色々な工夫がされた部屋になります。

ダストを少ない部屋にする工夫

ダストの個数を減らすために、クリーンルームには色々な仕掛けと管理が行われています。その代表的なものを紹介します。

クリーンルームの構造設計

クリーンルームは、普通の部屋(一般室とも言います)から汚い空気が入ってくることを防止するため、壁やパーテーションで区切られています。その上で、天井にキレイな空気を部屋に入れるフィルターが付いています。

クリーンルーム

大気をフィルターを通して部屋に入れ続けることで、クリーンルームは常にキレイな空気で満たされます。でも、クリーンルームの中では、製品を作るために装置が動いたり、人が作業してます。

するとクリーンルームの空気はどんどん汚れてきます。その汚れた空気を出すために、クリーンルームには空気の排出口があります。(リターンと呼ばれます)

一般的に壁にリターンがあるタイプと、床が網になっているタイプがあります。床が網になっているタイプの方が、クリーン度が高い仕様になります。(グレーチング構造といいます)

クリーンルームへの入室方法

クリーンルームは、一般の部屋と壁があるため、専用の入口から入ります。

ISO規格でクラス6~8であれば、クリーンスーツを着用します。クリーンスーツを着て、クリーンルームにたどり着くまでには、いくつかの手順を踏みます。

  1. 普通の服の上着を脱ぐ(Tシャツ・ポロシャツ・Yシャツになる)
  2. クリーンスーツを着る部屋に入る
  3. クリーンスーツ・帽子・手袋を着用する
  4. クリーンルーム用の靴(ブーツ)を履く
  5. 水で手洗いを行う
  6. エアーシャワーを浴びる
  7. クリーンルームへ入る(やっと^^;)

クリーンルームへの持ち込み

空気をキレイに保つために、持ち込んではいけないものも沢山あります。

  • 普通の紙
  • 普通のノート
  • 鉛筆
  • シャープペン
  • 消しゴム
  • ダンボールなど

普段の生活で使っているものは、基本的に持ち込んだらダメだと思っていいです。

少し迷うものも幾つか紹介します。

持ち込んで良いか迷うもの
腕時計

持込OKのところが多いと思いますが、クリーンルームの中には専用の時計があります。

これは作業時間などに個人の腕時計を使われると間違っていることがあるからです。持ち込んでも腕時計は見ないで!と言われるかも知れません。

化粧

ISO規格でクラス6~8レベルであればOKのところが多いです。

それより高いクリーン度が必要な場所は、ノーメイクをお願いされるかも知れません。これは化粧品の粉が空気中に飛散する可能性があるからです。

タバコ(喫煙)

高いクリーン度が必要なクリーンルームだと、喫煙した後に20~30分経過してからクリーンルームに入るように言われるかも知れません。実質、10分休憩だと喫煙できませんが・・。

これは、タバコの煙が皮膚や髪の毛に付着している状態のまま入室して、クリーンルームの中で拡散することを防止するためです。

くしゃみや咳

クリーンルームにはマスクを着用して入室しますので、そのままくしゃみ・咳をしても大丈夫です。ただ、マスクを取ることは禁止されています。

アクセサリー

ネックレスやブレスレッドなど、クリーンスーツの中になるものは、着用していても問題ないと思います。ただ、大きな指輪などは手袋を着用する関係でNGかも知れません。

クリーンルームの管理

クリーンルームは、常にきれいな状態を維持できているか確認する必要があります。そのための管理は大きく2つです。

  1. 温度と湿度
  2. クリーン度(ダストレベル)

温度・湿度

一般的には、一定の範囲内で管理されています。半導体を作っている工場では、温度:20~28度、湿度:30~70%くらいが目安です。

数字だけ見ると夏でも冬でも一定の温度なので、快適に見えますが、最近、省エネの関係で、温度を高めに設定している工場が多いかも知れません。(27℃設定とか)

密閉されたクリーンスーツを着て作業すると、体感温度が30℃を超えます。よくTwitterとかで、クリーンルームが暑い!と見るのはこのためです。

クリーン度(ダストレベル)

クリーンルームがキレイな状態であるかを専用の測定器で測ります。ダストカウンターと呼ばれるものです。

測定は機械が自動的に行なってくれますが、注意するポイントは測定器の単位です。

クリーン度の規格は、2種類(FED規格とISO規格)あって、基準となる空間の単位が違います。

フィート(ft)とメートル(m)、体積にするとキュービックフィート(cf)と立法メートル(m3)です。

単位と規格を間違えると正しく評価できませんので、ダストカウンターの測定単位とクリーンルームがどちらの規格になっているかを確認する必要があります。

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パーティクルカウンターは、めっちゃ高いです(^^;

まとめ:クリーンルームはゴミのないきれいな部屋

  • クリーンルームは、ダストを少なくしたきれいな部屋です。
  • 精密な製品や機械、食品製造、病院の手術室が代表的な場所。
  • クリーンルームに入るには、専用のスーツを着用します。
  • ゴミやダストを発生させる物品の持ち込みも制限されてます。
  • 常にきれいな空間を作るために、温度と湿度、クリーン度が管理されてます。

馴染みのないクリーンルームですが、これからクリーンルームで仕事をする人の参考になればと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。<(_ _)>

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