QCD(クオリティ・コスト・デリバリ)会社経営に必要な3大要素、何が優先?

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製造業やサービス業、その他全ての事業において、3つの重要な要素がQCDです。

QCDとは?

  • 品質(Quality:クオリティ)
  • 納期(Delivery:デリバリ)
  • 利益(Cost:コスト)

 

ISOやIATF審査の中にも3つを審査する要求事項があります。一般的には、品質・納期・利益は平等で成り立つことが理想とされています。でも、優先順位を付けるとしたら、どの順番でしょうか?

 

①品質(Quality:クオリティ)

②納期(Delivery:デリバリ)

③利益(Cost:コスト)

と回答する人がほとんどではないでしょうか。

 

「クオリティ・ファースト」という言葉があります。

  • 品質が良くなければ、お客様の信頼を失い、発注が来ない。
  • 品質が悪いために製品ができず、納期が遅れてしまう。
  • 納期が遅れるため、売上が立たず、利益がでない。

 

全ては良い品質の元に成り立っているという考え方です。図にするとこんな感じ。

品質・納期・コストの図1

 

この考え方は間違っていませんが、多くの会社は違った経営をしてるかも知れません。

会社が正しく機能する順番
  1. 利益(Cost:コスト)
  2. 納期(Delivery:デリバリ)
  3. 品質(Quality:クオリティ)

 

理由は、品質を優先すると会社経営を維持できないからです。全てを支える会社の利益が考えられていません。

品質・納期・コストの図2

 

  • いくら良い品質の商品を製造していも、会社が倒産すれば意味がありません。
  • いくら良い品質の商品を製造していも、お客様に届かなければ利益がでません。

 

利益・納期は、日々数値化されて簡単にプラス?マイナス?が目に見えます。必然的に数値化されにくい品質が後回しになっていきます。

 

今まで積み上げてきた高い品質が「少しくらい疎か(おろそか)にしても大丈夫だよね???」と誘惑します。

 

それをやり過ぎて、データ偽造(ぎぞう)や、捏造(ねつぞう)が発覚して大問題になった会社もあります。ニュースで報道されている会社は、氷山の一角だと思います。

 

じゃあ、どうすれば良いの?

 

品質も利益も優先では、優先って言葉に意味がありません。

この記事では、まず何を優先して取り組むべきかについて説明して行きます。

 

こんな方におすすめ

  • 品質管理のあり方について悩んでいる人
  • 自社のデータ偽造や捏造(ねつぞう)が気になっている人

 

この問題は、担当者では解決できません。

役職者が理解して実践する内容になります。でも、あなたが担当する仕事をする上で知っているだけでかなり違います。上司へそれとなくアドバイスすることが出来ると思っています。

 

目次

優先順位

力を入れる順番
  1. 利益(Cost:コスト)
  2. 品質(Quality:クオリティ)
  3. 納期(Delivery:デリバリー)
具体的に実践すること
  1. 製品コストの見積もりを正確に行う
  2. コストに合った品質を提供する
  3. 悪いことほど上司に報告する

良い品質を確保するためには、まず土台となる利益(コスト)を安定させることが重要です。ここでは利益(コスト)を優先させる視点で解説します。

 

製品コストの見積もりを正確に行う

皆さんは、自分が作っている商品や製品の値段を知ってますか。

その値段は、どうやって決められているのでしょうか。

多くの人は知らないはずです。それは1部の人が適当に決めているからです。商品Aの値段内訳を下の図とした場合、一見マトモに見えますが、問題は人件費20円、材料費20円の計算方法です。

商品Aの値段構造

 

商品Aを作る過程や材料、どの設備を使用するのか、作るのに何時間必要なのか、などを知らずに算出していることが多いです。似ている商品のデータを流用しているケースがほとんどです。

 

実際、自分が作っている商品のコスト構造を見せてもらって下さい。

 

なにこれ??ってなります。

 

多めに設定していれば、まだ良いですが、値段を決める人も自分を優秀に見せたいので、だいたい安く見積もられています。ここが適当だと、現場で一生懸命作っても当然利益がでません。

 

モノの値段を決定する際は、現場に精通した人を含めて、時間をかけて設定することが大切です。

 

戦略的にあえて値段を下げて取引先と契約して、別の商品で利益を上げる手法もあると思います。ただ、それは会社経営陣が判断することです。まずは、正しい見積もりを出すことから始める必要があります。

 

コストに合った品質を提供する

日本はサービスが良い国です。安い商品でも、高い品質を要求されることがほとんです。これを受けていると値段に合わない人件費や設備の費用が発生します。これからの時代、値段相応の品質を提供しないと会社がもちません。

 

その有効的な手段は「契約書」です

 

例えば、契約書に「商品の保証は、99.9%です」と書かれていたとします。それは「納品した商品の中に1000個に1個は不良があるかも知れません」と言っています。

 

その契約を結んでいる場合、それ以上の品質を保証する義務はありません。(努力は必要ですが)

 

もし、それ以上の品質が必要であれば、製造過程に手を加える必要があり、商品の値段が上がるはずです。

 

これも商品のコスト構造を正しく理解しているからこそ出来る交渉になります。

 

今のビジネスで「契約書」は絶対ですので、そこに何が書かれているかを正しく理解すれば、相手との交渉にも使えます。また、安易な契約書を交わすことは自分の首を締めます。当然ですが、契約にも細心の注意が必要です。

 

海外のお客様はこの理論が通用しますが、日本はまだ契約書の意識が薄い企業が多いです。サービス精神は、日本の良い文化の1つですが、ビジネスの場面では悪さをすることがあります。論理的に会話することが時には必要です。

 

悪いことほど上司に報告する

会社の社長以外の方は、上司が居ると思います。仕事をしていて「これはまずいな・・・」と思うことは報告して下さい。自分に嘘をついてしまうと、どんどん苦しくなってきます。まずは、上司に責任を渡しましょう。上司は責任を取るために居ます。

 

何でこんなことを言うのか?

 

これまで説明した値段の見積もりも、契約の取り交わしも、担当者や係長・課長クラスがやっている実情が少なくありません。

 

その場合、自分が無能に見られることが嫌で、おのずと都合の悪いことは言わなくなります。それは会社にとって、大きな損害を与える種をまいていることになります。

 

その場しのぎは意味がありません。悪いことほど連絡・相談して、判断をあおいで下さい。報告しても上司が動かないようであれば、その会社の明るい未来は難しいかも知れません。

 

まとめ

品質・コスト・デリバリの中で、優先させるべきは、コスト(利益)です。安定した会社運営が、高い品質を生みます。

QDCの優先順番
  1. 利益(Cost:コスト)
  2. 品質(Quality:クオリティ)
  3. 納期(Delivery:デリバリー)

 

安定した会社運営、高い品質があれば、生産問題(デリバリ)は発生しません。コスト(利益)を安定させるために、3つ実践することがあります。

3つの実践すること

  • 見積もりを正しく行う
  • 契約した品質を保証する(過剰な品質は行わない)
  • 悪いことほど報告する

 

本記事は以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました^^

 

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