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【設備管理】予防保全と予知保全の違いって何?を分かりやすく解説!

stonehenge

 

製造業で設備(装置)に関わっている人は多いと思います。今の工場で、製品や商品を作ってるのは、「」ではなく、「設備(装置)」です。

 

品質の安定した製品・商品を作るためには、装置が安定して動くことが必要不可欠になります。このため、IATF16949の審査では設備管理プロセスとして、色々と確認されます。

 

具体的な要求事項を抜粋すると

8.5.1.5 TPM(Total Productive Maintenance)
  1. 予防保全の活用
  2. 予知保全の活用
  3. 定期的なオーバーホール

 

【①~③を文書化して、運用して下さい】と書かれています。TPMは、【総合的な生産設備管理】と日本語訳できます。「製品を作る設備は全部管理して」ってことにですね。

 

オーバーホールって何となく意味が分かるけど、予防保全と予知保全って何が違うの?

 

予防保全」と「予知保全」、似てる言葉で、同じことを言ってるように聞こえますが、やることが少し違います。

 

モノづくりが右肩上がりだった高度成長時代、日本企業ではトヨタ、デンソーをトップにTPM活動が盛んでした。その時、広く浸透した言葉が「予防保全」です。

 

予防保全は、どの会社でも一般的に使ってる言葉だと思います。予知保全は、予防保全を少し進化させた設備の管理になります。まだ、あまり馴染みのない言葉かも知れません。

 

この記事では、2つの保全の違いについて解説していきたいと思います。

 

こんな方におすすめ
  • 設備(装置)の管理をしている人
  • IATF16949の審査で、設備管理プロセスに携わっている人

 

「予防保全」と「予知保全」の違いって何?

車のパネル

 

予防保全予知保全の違いは、装置をメンテナンスするタイミングです。予防、予知の他に事後があって、3つのタイミングの違いが呼び方に表れてます。

 

  • 事後保全:装置が故障したに行うメンテナンス
  • 予防保全:装置が故障するに行うメンテナンス
  • 予知保全:装置が故障するに行うメンテナンス

 

車を例にすると、こんなイメージ
保全の図①

 

  • 車が故障した後に修理する  → 事後保全
  • 2年ごとに車検で点検する  → 予防保全
  • 警告灯がついたので点検する → 予知保全

 

いきなり車が故障すると危険だし、かなり困ります。壊れる前に定期的に点検してもらって、悪い部品・劣化した部品は交換しないといけません。

 

定期的に点検・交換する(メンテナンス)ことを予防保全と呼びます。

部品の交換だけだと予防保全にはなりません。正しく設備が動くか検査することも含まれます。車検と同じように、検査の基準があって、検査に通るために、悪い部品を交換してるイメージです。

定期的な点検・交換よりも、定期的な機能のチェックが大切です。

 

で、予知保全は?

 

先程の絵だと、車のパネルにある警告ランプがついてからの点検と紹介しました。警告ランプは、車の状態を常にセンサーで監視して、調子が悪くなると点灯します。

 

予知保全は、車の調子を見て、悪くなりそうなときに点検・整備することを言います。

 

予防保全(定期点検)で良いんじゃないの?

 

確かに予防保全をしていれば、故障することは少ないと思います。でも、IATF16949では、予知保全を推奨しています。

 

ここで、少し予防保全予知保全のメリット、デメリットを説明したいと思います。

 

予防保全

 

  • 点検・整備の日程を計画できる
  • 点検・整備の項目を決めることができる
  • 定期的に設備の状態を監視できる
  • 結果、安定して設備が動き続ける

 

  • まだ使える部品も交換する
  • 必要なくても、期限がくれば点検する
  • 次の点検までは故障に気付けない

 

予防保全は、決まった点検を、決まった期間で行うため、過剰なメンテナンスになることがあります。まだ使えるタイヤでも、車検を通すために交換した人は多いと思います。

 

でも、1ヶ月タイヤが使えるからといって交換しなかったら、あとで交換を忘れてしまい、大きな事故につながるかも知れません。

 

普通、車検は2年周期ですが、「3年でも良いんじゃない?」って思う人は多いと思います。(僕も思ってます^^)

 

でも、事後が起こってからでは遅い!と思ってしまうと、どうしても安全マージンを多めにとる(過剰になる)必要があります。このデメリットを解消しようと考えられたのが、予知保全です。

 

 

予知保全

 

  • 必要なときに点検・整備をする
  • 結果、部品費用・人件費を減らすことができる

 

  • 常に装置の状態を監視しないといけない
  • センサー取付けなど初期費用がかかる
  • 技術的にまだ難しい

 

もし今の車が、タイヤ減り具合やブレーキパッドの磨耗など、全て教えてくれる警告ランプがあったら、車検はしなくて良くなります。ランプが点灯したときだけ、車屋さんに行けば良い^^

 

実現できれば、お財布にかなりやさしくて、飛ぶように売れるんじゃないかなと思います。でも、そんな車はありません。まだ実用段階ではないってことだと思います。

 

しかし、10年前の車と比較すると、今の車は電子装備のカタマリです。近い将来、予知保全のカタマリのような車が登場するんじゃないかなぁって期待してます。(^^

 

予防保全と予知保全の指標は?

 

予防保全も予知保全、どちらも装置を故障させずに、安定して動かすことが目的です。IATF16949審査を受けると保全活動の指標をたずねられますので、指標について少し説明します。

 

指標は、保全活動がうまくいっているのか、ダメなのかを判断する材料です。

一般的な指標は
  1. 稼働率
  2. 時間稼働率(可動率)
  3. 平均故障間隔(MTBF)
  4. 平均修理時間(MTTR)
  5. 設備総合効率(OEE)

だと思います。それぞれ何を意味するか解説します。

 

ある工場の生産ラインを考えてみます。

保全の図②

 

生産ラインの状況
  • 設備が正常に動いていれば、青ランプ(稼働)
  • 設備が故障すると、赤ランプ(故障)
  • 1日の稼働した時間=16時間
  • 1日で故障停止した時間=4時間
  • 1日で計画停止した時間=4時間

 

稼働率

  • 1日の稼働率 = 稼働した時間 ÷ 24時間
  • 稼働率=(稼働した時間)÷(稼働日数✕24時間)

この生産ラインの1日の稼働率を計算すると

計算式①

 

稼働率は、純粋に1日24時間の内、どの位装置が動いたかを見る指標です。このため、装置が故障した時間以外の止まっていた時間も含まれてます。休憩時間や、製品の材料がなかった場合です。

 

時間稼働率(可動率)

  • 時間稼働率(可動率)= 稼働した時間 ÷ 計画した稼働時間

この生産ラインの1日の可動率を計算すると

計算式②

 

時間稼働率(可動率)は、稼働率から停止した時間を除くため、より装置自体のコンディションが反映された指標です。装置の安定した動きを見るためには、稼働率よりも良いと言えます。

「かどうりつ」と言葉にすると間違いやすいため、稼働率を「かどうりつ」、可動率を「べきどうりつ」と呼ぶことがあります。

 

平均故障間隔(MTBF)

  • 平均故障間隔(MTBF) = 稼働した時間 ÷ 故障回数

この生産ラインのMTBFを計算すると

計算式③

 

平均故障間隔(MTBF)は、故障しないでどれだけ長く設備が動いたかを見る指標です。このラインだと、平均8時間は故障せずに装置が動いてることになります。装置の安定を見る上では、設備管理の指標に向いています。

 

平均修理時間(MTTR)

  • 平均修理時間(MTTR)= 修理にかかった時間 ÷ 修理の回数

この生産ラインのMTTRを計算すると

計算式④

 

平均修理時間(MTTR)は、故障した後に復帰するまでの時間を見てる指標です。故障している時間を減らすことができれば、生産活動に大きなプラスになります。修理する人のスキルや、危機管理能力に関係するため、この指標も設備管理として使われることが多いです。

 

設備総合効率(OEE)

  • 設備総合効率(OEE)= 時間稼働率 ✕ 性能率 ✕ 良品率

この指標は、設備管理単独ではなく、最終的なアウトプットを見るもので、多くは顧客や経営陣から求めれることが多いです。少し説明します。

 

時間稼働率

先に説明した可動率のことです。計画した停止時間を除いた稼働率を表します。

性能率

性能率は、設備が100%の状態で生産できる理論的な製品の数量に対して、実際に生産した製品の数量です。例えば、1日に1,000個の生産能力がある設備で、実際に作った数が900個だったら、性能率は90%になります。(900個÷1,000個✕100%)

良品率

良品率は、生産ラインに投入した数量に対して、完成した製品の数です。製品を作ってると不良品になることがあります。例えば、1,000個作る予定で、材料を投入した結果、900個の良品ができた場合、良品率は90%になります。(900個÷1000個✕100%)不良品は100個です。

 

この3つを掛け合わせたものが、設備総合効率になります。上の例を計算すると

計算式⑤

 

製品を作る上で大切な要素が全て含まれてるため、この数値を見れば、その生産ラインの実力がすぐに分かります。

 

設備管理以外の要素が多いため、設備管理の指標というより、経営管理の指標に向いてます。

 

まとめ

予防保全、予知保全、保全の指標について説明してきました。

設備管理のまとめ
  • 予防保全とは、定期的に設備のメンテナンス、機能の確認を言います。
  • 予知保全とは、設備の状態を常に監視して、必要なときにメンテナンス、機能の確認することを言います。
  • 保全の指標には、平均故障間隔(MTBF)、平均修理時間(MTTR)がオススメです。

 

本記事は以上です。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。^^