製造現場で働いていると、正常にモノが作れなかったとき、「異常品」とか「不良品」と呼ばれたりします。
この記事では、そんな疑問をお持ちの方に、異常と不良の違いを具体的に解説します。
結論から言うと、「不良」と「異常」の意味は違います^^
不良は、良品ではないモノを指します。不良品なので、製品や商品として使うことができません。不適合品や不具合品と呼ばれることもあります。
異常は、「常(つね)と異(こと)なる」って字の通り、いつもと違うことを指します。良品でも不良品でも、いつもと違っていたら、それは異常になります。
異常だからといって、不良じゃないこともあります^^
もう少し具体的に解説していきます。
不良品って、なに?
不良は、「良品にならなかったモノ」を指します。商品や製品には、良品と不良品のさかい目(基準)があります。良品の範囲から外れたものを不良品と呼びます。
例えば、500mlペットボトルの水を考えてみます。
商品を作るときは、必ず誤差が生まれます。500mlのペットボトルでも、500mlピッタリのモノを作ることは難しいです。
そのため、商品には販売しても良い範囲を設けてます。仮に良品の範囲を490~510mlとすると、この範囲から外れたペットボトルが不良品です。
不良品は、補充とか修正作業のような特別なことをしない限り良品にはなりません。作ったモノは、必ず良品と不良品に分類されます。
異常って、なに?
異常は、不良と違って「いつもと違う」状態を指します。
そうですよね^^;
何がいつもと違う状態なのか?が分からないと、異常かどうか分かりません。このため良品の範囲のように、異常の範囲を決める必要があります。
500mlのペットボトルを例にすると、
いつも498~502mlで作れてたモノの中に、509mlのペットボトルがあったら、ちょっと気になりませんか?
明らかに5番目のペットボトルの容量が、いつもと違って、多いですよね。このとき5番目のペットボトルが、異常品です。良品だけど、いつもと違うモノ。
異常の範囲をはっきりさせる為、一般的には管理線と呼ばれるものを設定します。
管理線の範囲から外れたものは、全て異常になります。(不良も含まれます)
不良の線だけで、いいんじゃないの?
不良になってしまうと販売できないので、損害が大きい。不良になる前に、その予兆をキャッチして対応しようというのが、この考えです。
509mlは不良じゃないので販売できる。そして、509mlができた原因を調査して、対策すれば、不良はできない。少し難しい言葉を使うと、傾向管理って呼ばれるものの1つです^^

まとめ:不良の前に異常をキャッチ
不良は、良品を決める基準の範囲から外れたものです
異常は、いつもと違う状態をキャッチするための管理範囲から外れたものです
不良になる前に、異常をキャッチして対策することで、不良を発生させない現場が作れます
異常って、あんまり良い言葉じゃありませんが、異常を管理することで、良い工場になっていきます^^
本日は以上となります。
最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m